グロービート・ジャパンが提案する創作ラーメン店【ちゃぶ屋とんこつらぁ麺CHABUTON】
『ちゃぶ屋』。それは料理人の世界で
【いい加減な仕事をする者】を意味する。
料理の世界に身を投じた森住が先輩達から最初に付けられた思いがけない呼び名であった…。
元々、手先が器用で物作りが得意だった森住は、
自らが生み出す料理で人を感動させる料理人の道を志した。
夢はいつの日か、自分自身の店を持つこと。料理は勿論のこと、店内の装飾、食器、音楽、料理人のパフォーマンスなど店内の全てを総動員してご来店されたお客様を魅了し、かけがえのない最高の時間を過ごして頂こうというものであった。
それは、幼少の頃、両親にその手を引かれ連れていってもらったホテルのレストラン。子供心にその時に受けた感動がいつまでも忘れられなかったからだ。客席を回るシェフの見事なまでの立ち振舞にすっかり魅せられた少年は強く誓うのであった。 『いつの日か、僕も僕の店に来た人達を幸せにする、そんな仕事がしたい』と…。
月日は流れ、九年間という青春時代をフレンチの世界に身を置いた森住であったが、いくつもの店に移っても一向に芽が出ず、自身の店を持つという夢は夢のままであった。そして天職とまで決めた料理人の世界から志なかばのまま身を引いた…。
その後、サラリーマンの道を選んだ森住には淡々と安定した日々が待っていたが、心の片隅に、どうしても消すことのできない情熱がいつまでもくすぶっていたのであった…。
そんなある日、残業ですっかり遅くなり、空腹を満たそうと飲食店を探すものの深夜の時間帯では閉めている店ばかり。やっと見つけたラーメン店に入り、何をするでもなく待っている間、ふとあることを森住は思い出すのであった。
修行時代、まかない料理を任され、見よう見まねで作ったラーメンと、そしてそれを美味しそうに食べる仲間達の笑顔を。
『そうだ、フルコースのフレンチでなくとも、一杯数百円のラーメンだって、食べた人を笑顔にできる、きっと多くの人を力づけ幸せな気持ちになって貰える、そんな仕事ができる筈だ。やっぱり、俺には料理人の道しかない。』
心機一転。十分な開業資金の準備もないまま、森住は人通りもろくにない「超」が付く程、悪条件の店舗を格安で借り、そして自身の腕でこしらえた内装で「柳麺ちゃぶ屋」を東京荒川区新三河島にオープンした。森住は三十を前にして、幼少からの念願の夢であった自分の店をこうして構えたが、本当の修行の日々は、まさにこの時、始まったのである。
それまで培ったフレンチの技法を用いた自慢のラーメンは珍しさもありファンも付いたが、やはり立地の悪さからか、案の定客足は伸びることなく閑古鳥の鳴く状態が何ヶ月と続いた…。
『もっとちゃんとした場所なら俺の腕で絶対に店を繁盛させ、上手くいった筈なのに…。』
来る日も来る日も一生懸命に仕込んだスープを無駄に捨てる毎日の中で、いつしか森住は目標を見失い疲れ果ててしまった。
『もう限界なのかな…。』
一度は身を引いたにも関わらず押さえられない気持ちで帰ってきた料理人の世界ではあったが、今度こそ、本当に最後の幕を引こうと森住は決意した…。
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